バロック・ヴァイオリン奏者として国際的に活躍する高橋未希は、ドイツ・マクデブルクで開催された第3回国際テレマン・コンクールにて第1位および様式的装飾音に対する特別賞、ベルギー・ブルージュ国際古楽コンクールにて第1位および聴衆賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けている。

ソリストとして、テレマン・フェスティバル、ライプツィヒ・バッハ・フェスティバル(ドイツ)、ナントのバロック音楽祭(フランス)などに招かれ、東京・白寿ホール、米ミネソタ州シューベルトクラブ、ロンドン・キングスプレイスなどでのリサイタルも成功を収めている。レパートリーはマリーニやパンドルフィに始まる初期バロックから現代作品に至るまで幅広い。

これまでにイル・ガルデリーノ、コレギウム・ムジクム90、ムジカ・フィオリータ、レ・ナシオン・ジャパン、アンサンブル・サン・スーシー・ベルリンなど、国内外の著名な古楽アンサンブルと共演。現在はロンドンのセント・ジェームズ・バロックでコンサートマスター、ファインシュタイン・アンサンブルでコ・リーダーを務めるほか、イングリッシュ・コンサート、ガブリエリ・コンソート、アーリー・オペラ・カンパニー、インストゥルメンツ・オブ・タイム・アンド・トゥルースなどにも定期的に出演している。

教育活動にも力を注ぎ、セントポール音楽院(米国)、デブレツェン大学(ハンガリー)、台北・台南芸術大学(台湾)などでマスタークラスを担当。現在は英国バーミンガム大学およびバーミンガム王立音楽院で非常勤講師を務めている。2025年4月には英国グロスターのキングス・スクールおよびセント・ピーターズ・ハイスクールにて「バロック・ディスカバリー・デイ」を開催し、若い世代にバロック音楽の魅力を伝える活動もしている。

演奏家・教育者としての歩みを支えるのは、各国での研鑽と名教師との出会いである。日本・桐朋学園大学で原田幸一郎氏に師事し、カナダ・トロントのグレン・グールド音楽院にてローランド・フェニヴェシュ氏のもとで演奏学科の学士号およびディプロマを取得。在学中に古楽に興味を持ち、ケヴィン・マロン氏にバロック・ヴァイオリンを学んだ後、ベルリン芸術大学古楽科にてイルムガルド・フンゲボルト氏に師事し、バロック・ヴァイオリンのディプロマおよびドイツ国家演奏家資格をいずれも最高点で取得している。

現在は二児の母として、家庭と演奏・教育活動をバランスよく両立しながら、音楽の喜びを広く分かち合うことを大切にしている。

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